福井県越前市の「タケフナイフビレッジ」です。
700年の伝統を誇る、刃物の産地としてその伝統を未来に伝えていこうと、
伝統工芸士の佐治武士さんや、故浅井正美さんを初めとする10人の鍛冶職人
たちによって作られました。
建物の中は誰でも見学することが出来ます。
また、包丁などの即売コーナーなどもあります。
プロダクトデザイナー川崎和男さんがデザインした包丁は、当店でも人気ですが、
海外のシェフの間でもとても評判がいいそうです。
では工房内を・・・
建物の中、2階に見学出来る通路があります。
何度も行ったことがあるのですが、この日は、「佐治打刃物工房」社長の
野村和生さんが、ナイフを作られていました。
炉で鋼を熱する野村さん。
許可を得て、下へおりて間近で見学させて頂きました。
(※通常は上の見学路からとなります。)
この日は総鋼のナイフを作られていました。
真っ赤になった鋼を叩き伸ばしていきます。
何度も赤めては叩いて鍛え形を作っていきます。
こうしてナイフの形を作っていった後、荒研ぎや焼入れ、仕上げと、
何工程もの手作業を経てやっと1本のナイフや包丁が出来上がります。
普段はとても温和で気さくな方ですが、お仕事の際はとても鋭い表情をされてます。
(当然ですが・・・)
施設内には、鍛造だけで無く研ぎや焼入れなどの設備が整っています。
また、年に数回、手作り鍛造ナイフ教室が開かれ、1泊2日で本格的なナイフを
作る事が出来ます。
アルタスプロ牛刀でのトマトテスト動画です。
人気のタケフナイフビレッジの包丁は
https://www.ehamono.com/houtyou/takefu/index.html
- 投稿日:
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06.11.2018
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鍛冶屋さん訪問
岡山県瀬戸内市長船町にある『備前おさふね刀剣の里』へ
日本刀の古式鍛錬を見学に行って来ました。
正面に土産物など販売する売店、左側に刀剣博物館があり、売店の裏側に
鍛錬所があります。
日本刀の古式鍛錬は、なんと毎月第二日曜の午前11時と午後2時に公開
されています。
私たちは、11時の部を見学に。
丁度11時少し前に到着しました。
中は、かなりの人が見学に来られてました。
始まる前に、すでに火床で熱せられた玉鋼をタガネで切れ目を入れて
行きます。
何度か叩いて、さらに火床に入れて熱し
折り返します。
そして、また火床で熱し
真っ赤になったところを取り出して
叩いて、くっつけ、さらに熱して打ち延ばします。
派手に火花が飛びます。
向こう槌が、タイミングを合わせ、叩いて叩いて・・・
ある程度に打ち延ばしたら、またタガネで切り目を入れます。
今度は、縦に切り込んでいきます。
(これを十文字鍛えと言うそうです)
金床に、縦に折り返す道具を付けて折り返していきます。
こうしてくっつけ
藁灰と、粘土汁をかけて
また火床で熱します。
そして、また叩いて鍛えていきます。
似たような写真ですが、続けて(^^)
横座(火床の前にいる人)の合図で、向鎚2人がリズムよく叩いていきます。
全身を使ったダイナミックな動きです。
こんな感じで、あっと言う間に一時間の公開鍛錬は終わりました。
前半はすごい人でしたが、後半になるとかなり空いていいアングルから
写真を撮ることが出来ました。
毎月公開されていますので、興味のある方はぜひ一度ご訪問下さい。
『備前おさふね刀剣の里 備前長船刀剣博物館』
http://www.city.setouchi.lg.jp/token/
- 投稿日:
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05.23.2018
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鍛冶屋さん訪問
西田さんの折返し鍛錬による鍛造ダマスカス造りの動画を
アップしましたので、こちらでもご紹介させて頂きます。
前にも書きましたが、一から鍛造してダマスカスを作る職人さんは少ないので、
結構貴重な動画かと思います。
まず、白鋼+青鋼+白鋼+青鋼の4枚の鋼を重ね合わせ折り返し鍛錬した、
コアレスダマスカスです。
続いて、鋼+軟鉄+青鋼を折り返し鍛錬して造ったダマスカスに、
白紙一号鋼を割り込むダマスカス本割込ナイフの製作です。
只今西田さんは、22日まで熊本県伝統工芸館で個展を開催されています。
こうして造られた美しいナイフや包丁を見ることが出来ますので、興味のある方は
ぜひ訪れてみて下さい。
尚、弊社西田さんの包丁・ナイフ販売コーナーはこちらです(^^)
https://www.ehamono.com/washiki/nishida/index.html
- 投稿日:
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01.19.2017
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西田刃物工房、鍛冶屋さん訪問
師走10日、熊本県の刃物鍛冶、西田大祐さんの工房に
お邪魔してきました。
来年1月に展示会を控えておられ、お忙しい中なのですが、
その展示会用の作品を作る様子を、取材させて頂きました。
今回は、折り返し鍛錬によるダマスカス造りと、ダマスカスに
割り込んでナイフにしていく工程を撮影。
一から鍛造して、ダマスカスを作る職人さんは数少なく、
とても貴重な撮影が出来たと思います。
その様子を、こちらで簡単にご紹介・・・
まず見せて頂いたのは、鋼と鋼を合わせて造るコアレスダマスカス。
白鋼+青鋼+白鋼+青鋼の4枚の鋼を切出し重ねます。
炉で赤め、
ハンマーで叩いてくっつけ伸ばしていきます。
さらにベルトハンマーで叩き伸ばし・・・
タガネで切り込みを入れ
ハンマーで折り曲げ、また炉で熱し
叩いてくっつけ、また伸ばして曲げてくっつけて・・・
と何度も繰り返します。
青白コアレスは、この行程を何度も繰り返した後ナイフの形にしていきます。
その次に、見せて頂いたのは、鋼+軟鉄+青鋼を折り返し鍛錬して造った
ダマスカスに、白紙一号鋼を割り込むダマスカス本割込ナイフの製作。
上のダマスカス造りのように、造ったダマスカスを母材としてそれをタガネで
割り込みます。
そして、白一鋼を挟み込みます。
それを炉で熱し、叩いて鍛えていきます。
さらにベルトハンマーで叩き伸ばし、形作っていきます。
そうして、ナイフの形に仕上げていきます。
ざっとほんと簡単に写真で紹介しただけですが、とんでもなく技術と手間の
かかる作業です。
その後、焼き入れや研ぎ、柄付け、シース(ケース)造りなど、1丁のナイフを
造るのには、まだまだたくさんの工程があります。
手間を惜しまず、ご自身の手による本割込、鍛造にこだわって刃物造りを
される西田さん。
これからも西田さんが造られた素晴らしい刃物をご紹介していきたいと思っています。
西田さんが鍛えた、包丁・ナイフなどはこちら
http://www.ehamono.com/washiki/nishida/index.html
です。
詳しい様子は、後日動画などでご紹介いたします(^_^)
- 投稿日:
-
12.17.2016
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西田刃物工房、鍛冶屋さん訪問
水池長弥さんによる『兼長作 日本剃刀』鍛造の動画をアップしました。
新たに、青鋼バージョンも登場!
『兼長作 日本剃刀(にほんかみそり)』はこちらです>>クリック
- 投稿日:
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02.03.2014
- カテゴリー:
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鍛冶屋さん訪問
兵庫県小野市で、古式鍛造の日本剃刀を作る、鍛冶職人
水池長弥(おさみ) さんの工房を再訪問してきました。
今回は、バッチリ日本剃刀を火造り鍛造する様子が取材できました。
派手に火花が散っている瞬間の撮影に成功(^^)v
詳しくは、サイトの方に掲載したいと思いますが、簡単にご紹介致します。
鍛冶職人、水池長弥(おさみ)さん。
昭和20年(1945年)生まれの68歳です。(お若く見えますよね)
代々続く鋏(はさみ)鍛冶の四代目で、この道50年以上のベテラン。
数年前、ある問屋さんの依頼を受け日本剃刀造りに挑戦。
約3年前から本格的に製作しています。
氏の造る日本剃刀は、美しく高品質で、そのとても丁寧な造りが認められ、
今では海外から一度に百数十本の注文が入る程の人気になっています。
お話を伺っていますと、その誠実さとおだやかなご様子が、職人というより
戦後日本の物づくりを支えてきた、熟練の技術者、と言う印象を受けました。
前置きが長くなりましたが、では、その火造り鍛造の様子を、ハイライトで。
まず母材となる軟鉄を、炉で熱して叩いて形作っていきます。
2丁分を叩き伸ばします、この作業のみベルトハンマーを使います。
こうして剃刀の母材が出来ます。
これを再度炉で熱して、叩いて形を成形
鍛接材を付け、鋼を載せます。
(なんと素手・・・)
鋼と一緒に炉で熱して、ハンマーで叩き、鋼を母材に付けます。
何度か炉で熱しながら、ひたすらハンマーで叩いて鍛え、形作ります。
日本剃刀ならではの鍛造風景。
アールの付いた金床に載せて叩き、裏スキを造っていきます。
こうして何度か、熱しては叩き、を繰り返し、ようやく火造り終了です。
この後、まだまだ、荒研磨から焼き入れ、刃付けや、ミガキ工程など
何度も手間暇をかけて、やっと一つの製品が出来上がります。
こちらは、主な製造工程です。
なんの変哲も無い鉄が、職人の技によりみるみる一つの道具に変わっていく
姿を見てるのは本当に楽しいですね。
動画も撮ってきてますので、編集出来次第アップ致しますね。
日本剃刀はこちらです>> https://www.ehamono.com/zakka/kamisori.html
- 投稿日:
-
12.04.2013
- カテゴリー:
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鍛冶屋さん訪問
大阪府堺市で、秋の文化財特別公開イベントに合わせ
水野鍛錬所では、日本刀の古式鍛錬が公開されました。
普段、なかなか見ることが出来無い鍛錬の様子を、
間近で見ることが出来ます。
9時からの公開に合わせ、早めに行ったのですが、
すでにかなりの人が、並んで待っておられました。
鍛錬場は、それほど広いわけではありませんので、何人かずつに
分けての見学になります。
前の組を待つ間に、日本刀の製造工程を紙芝居仕立てにして
分かりやすく説明して下さいます。
そして、水野鍛錬所の歴史や、数々の実績など
こちらは、法隆寺五重塔の上にある九輪の四方に備えられてある
魔除け鎌です。
昭和の解体修理の際、水野鍛錬所の2代目が、小鍛冶として参加。
解体した際の、古釘をとかし、鍛え直して作った鎌が、修理完了の際に
備え付けられたそうです。
これは、レプリカではなく、万一の不具合への安全策として倍の8本
作ったうちの1丁です。
法隆寺へ行く機会があれば、ぜひ五重塔の上九輪にもご注目下さい(^_^)
その他、この時には、心柱を繋ぐための大きな釘も作られたそうで、
こちらも実物を見ることが出来ます。
また、ふぐ専用の刺身包丁「ふぐ引」は、下関の料理店からの依頼で
水野鍛錬所が開発した包丁で、通常の柳刃の半分の薄さにまで叩き
伸ばして作られています。
薄く、硬く、弾力のあるふぐ引き包丁が、あの美しいふぐ刺しを生み出します。
そのあたり、水野鍛錬所については、ずいぶん前(10年前になります)に
「鍛冶屋さん訪問」で、レポートしていますので、よろしければどうぞ。
http://www.ehamono.com/master/repo/mizuno.html
水野鍛錬所店内で、一通り説明を受け、質疑応答などの後、
社長で4代目の水野康行氏により鍛錬所へ案内されます。
今回、忙しいかと思い、水野さんには連絡せず、全く一般見学者として
行ってましたので、ずいぶん驚かれてしまいました(笑)
鍛錬場に入ると、火床で鋼を熱していました。
真っ赤に熱せられた鋼を、火床から取り出し、ハンマーで叩きます。
赤めては叩き、赤めては叩きを繰り返します。
こうして鍛えることにより鋼の不純物が取り除かれ、より強靱で
良質な刀の素材となっていきます。
だいぶ薄くなってきました。
ここで、折り返し鍛錬のために、タガネで切り込みを入れます。
切り込みの入った鋼を再度、火床に入れて赤め
金床の角を利用して、ハンマーで叩いて折り曲げます。
完全に二つ折りに重ねられたら、一通りの工程見学は終了です。
薄くなってたのが、こんなに分厚くなりました。
これをまた延ばして、折り曲げてと言うのを繰り返したあと、叩き伸ばして
日本刀になります。
今回の公開では、ここまでを見学した後、次待っている人と交代です。
ビデオも撮りましたので、また編集してアップ致しますね。
来年もあると思いますので、興味のある方は、水野鍛錬所のブログを
チェックしてみて下さい(^_^)
http://blogs.yahoo.co.jp/mizuno_tanrenjo
- 投稿日:
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11.05.2012
- カテゴリー:
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鍛冶屋さん訪問
『西田刃物工房』代表西田大祐氏による、本割込本鍛造の動画をアップしました。
時間の関係で、だいぶはしょってますが、1丁ずつ丹念に割込鍛え上げた後、
1晩寝かして、ならし打ち、粗研磨を経て、焼き入れ、研ぎ仕上げをします。
また、ナイフの柄の製作、シースなども全て丁寧に手造りしています。
西田さんが鍛えた、ナイフ・包丁に興味のある方は、
http://www.ehamono.com/washiki/nishida/index.html へ
- 投稿日:
-
09.10.2010
- カテゴリー:
-
西田刃物工房、鍛冶屋さん訪問
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