日野浦睦作「鍛地 和釘 切出小刀」
三条鍛冶三代目日野浦司さんの、長男「睦(むつみ)」さんの作品です。
味方屋四代目となる、睦さんは、日々司さんの厳しい指導の元、研ぎや鋼付けなど一から伝統の技を学び、厳しい修行を続けています。
また、修行は鉈だけに限らず、将来は包丁なども打っていきたいと、夜には近くの包丁鍛冶のもとに通い、包丁の鋼付け、火造りなどの勉強もして頑張っておられます。
実は、3年前、工房を訪問したときに丁度、「ぼくらの時代」という東北地方で放映された番組で、睦さんが取り上げられ、取材されているというお話をきいていました。
その後、その放映ビデオを見せて貰ったり、司さんから日々の修行の話を聞いたり、ナイフショーで作品を見せて頂いたりして、いつか「睦作」を販売する日が来るのを楽しみにしていました。
そして、この秋、日野浦さんから「どうですか、販売してみてもらえませんか」と、待ちに待った声がかかりました。
あれから3年、日々の仕事の後、夜や休日にコツコツと鍛えて、作り上げた小刀です。
もちろん、まだまだ発展途上の若い鍛冶職人ですが、今後が大いに期待出来る、睦さんの現在持てる力を全て出して造られた、鍛地の小刀。
将来、名人と呼ばれるようになったとき、貴重な足跡の1丁になるかも知れません。
これは、睦作「鍛地 和釘 切出小刀」巻き頭(クリックで画像が拡大します)
やはり和釘をモチーフにした、鍛地の切出小刀です。
元々、三条は和釘の産地として栄えました。
その伝統を継ぐと言う、睦さんの強い意思の表れでもあるのでしょうか、和釘をモチーフにした作品が多数見られます。
その中でも、もっともオーソドックスな形です。
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