水野鍛錬所 日本刀古式鍛錬公開
大阪府堺市で、秋の文化財特別公開イベントに合わせ
水野鍛錬所では、日本刀の古式鍛錬が公開されました。
普段、なかなか見ることが出来無い鍛錬の様子を、
間近で見ることが出来ます。
9時からの公開に合わせ、早めに行ったのですが、
すでにかなりの人が、並んで待っておられました。
鍛錬場は、それほど広いわけではありませんので、何人かずつに
分けての見学になります。
前の組を待つ間に、日本刀の製造工程を紙芝居仕立てにして
分かりやすく説明して下さいます。
そして、水野鍛錬所の歴史や、数々の実績など
こちらは、法隆寺五重塔の上にある九輪の四方に備えられてある
魔除け鎌です。
昭和の解体修理の際、水野鍛錬所の2代目が、小鍛冶として参加。
解体した際の、古釘をとかし、鍛え直して作った鎌が、修理完了の際に
備え付けられたそうです。
これは、レプリカではなく、万一の不具合への安全策として倍の8本
作ったうちの1丁です。
法隆寺へ行く機会があれば、ぜひ五重塔の上九輪にもご注目下さい(^_^)
その他、この時には、心柱を繋ぐための大きな釘も作られたそうで、
こちらも実物を見ることが出来ます。
また、ふぐ専用の刺身包丁「ふぐ引」は、下関の料理店からの依頼で
水野鍛錬所が開発した包丁で、通常の柳刃の半分の薄さにまで叩き
伸ばして作られています。
薄く、硬く、弾力のあるふぐ引き包丁が、あの美しいふぐ刺しを生み出します。
そのあたり、水野鍛錬所については、ずいぶん前(10年前になります)に
「鍛冶屋さん訪問」で、レポートしていますので、よろしければどうぞ。
http://www.ehamono.com/master/repo/mizuno.html
水野鍛錬所店内で、一通り説明を受け、質疑応答などの後、
社長で4代目の水野康行氏により鍛錬所へ案内されます。
今回、忙しいかと思い、水野さんには連絡せず、全く一般見学者として
行ってましたので、ずいぶん驚かれてしまいました(笑)
鍛錬場に入ると、火床で鋼を熱していました。
真っ赤に熱せられた鋼を、火床から取り出し、ハンマーで叩きます。
赤めては叩き、赤めては叩きを繰り返します。
こうして鍛えることにより鋼の不純物が取り除かれ、より強靱で
良質な刀の素材となっていきます。
だいぶ薄くなってきました。
ここで、折り返し鍛錬のために、タガネで切り込みを入れます。
切り込みの入った鋼を再度、火床に入れて赤め
金床の角を利用して、ハンマーで叩いて折り曲げます。
完全に二つ折りに重ねられたら、一通りの工程見学は終了です。
薄くなってたのが、こんなに分厚くなりました。
これをまた延ばして、折り曲げてと言うのを繰り返したあと、叩き伸ばして
日本刀になります。
今回の公開では、ここまでを見学した後、次待っている人と交代です。
ビデオも撮りましたので、また編集してアップ致しますね。
来年もあると思いますので、興味のある方は、水野鍛錬所のブログを
チェックしてみて下さい(^_^)